定期保険と終身保険には雲泥の差がある

生命保険には、保険期間の観点から、下記の2種類に分けることができます。

  1. 定期保険
  2. 終身保険

この2種類の保険は、同じ「生命保険」という名前で呼ばれますが、その実質的な内容は大きく異なりますので、注意をしてください。

定期保険は一定期間保障が受けられる「普通の保険」

定期保険というのは、ある一定の期間の間に死亡した場合に保険金が支払われる、という保険です。

例えば、30歳のときに10年間の定期保険に加入し月々3,000円の保険料を支払う。その代わり、40歳までに死亡すれば保険金1,000万円を得られる。

これが、一般的な定期保険のイメージです。

ちなみに、定期保険という名前は、一定期間(=定期)にわたり保険をかけるということから付けられた名前です。


定期保険はもっとも基本的で、かつ、もっともシンプルな生命保険です。

終身保険は死ぬまで引き出せない定期預金

一方で、終身保険というのは、期間の制限なく、死亡した場合には必ず保険金が支払われる、という保険をいいます。

例えば、30歳のときに終身保険に加入し30歳から60歳まで月々8,000円の保険料を支払う。その代わり、死亡すれば保険金500万円を得られる。

これが、一般的な終身保険のイメージです。


ここで、よく考えてほしいのですが、人は皆、必ず死にます。

ですから、終身保険に加入した場合には、お金をもらうタイミングこそ違いますが、皆、確実に保険金をもらうことができるのです。

終身保険の仕組みをいいかえると、いつかはわからないけれど必ず500万円あげるよ。その代わりに保険料8,000円を30年間払ってね。という仕組みの商品なのです。

定期保険とは違い、保険料は掛け捨てとはならず、必ず、お金がもらえるのです。

このように、確実にお金をもらえる、ということでは、終身保険は、保険よりは預貯金に近いものがあるのです。

死ぬまで引き出せない定期預金。これが、終身保険の実体です。

終身保険は「生命保険」と思ってかけるな

終身保険を保険会社の側から見てみましょう。

500万円の終身保険を引き受けた場合には、必ず、その人に500万円を返さなければいけない、ということになります。

ですから、普通の保険のように、少ない掛け金で大きい保障を得ることはできません。

上で挙げた例では、30年間、毎月8,000円の保険料を支払うことで500万円の保障を得られると書きました。

8,000円×30年間×12ヶ月=288万円の保険料で500万円の保障をするのですから、一見すると、保険金の受け取りのほうが大きく感じられるかもしれません。


でも、ここで簡単な計算をしてみれば、保険金の受け取り額は必ずしも大きくもないことがわかります。

まず、仮に80歳で保険金を支払うと仮定しましょう(日本人の平均寿命は80歳を越えていますので、普通よりも受け取りタイミングは早いと思います)。

また、簡単のために30歳と60歳のちょうど中間の45歳で288万円の保険料を一括で支払ったことにしましょう。

この保険料を、運用で増やしていくことを考えます。今、長期金利は約2%ですので、毎年2%で35年間(35年間=80歳−45歳)保険料を運用したと考えてみましょう。

すると、35年間で、288万円×2%×35年=201万円を手にすることができます。

すると、35年後には、保険会社の手元には288万円(保険料)+201万円(運用収益)=489万円が手元にあることになります。

そして、そうやって運用したお金を元に、私たちに、保険金を支払ってくるのです。

このように、終身保険というのは、自分が払った保険料に利息をつけて返してもらうものなので、「死ぬまで引き出せない定期預金」と同じ、ということになるのです。

このように考えていくと、終身保険に加入するメリットというのは、あまりないかもしれません。


もし、本気で死亡保障が欲しいのなら「定期保険」に加入したほうが保険料は安くなります。

あるいは、貯蓄をしたいのなら終身保険に預けるより、普通の定期預金に預けたほうが、ほぼいつでもお金を引き出せますので、メリットが大きいと思います。